経営者側に「残業すること、働きまくることはスキルアップに繋がるしプラスになる」(A)という考えがあるため、ワークライフバランスを大切にしたいと考える私たち働く側とは大きなズレが生じます。
ちなみに(A)は建て前で、実態としては「いかに少ない給料で良い仕事をさせるか、コスパ良く従業員を使い回すか」という狙いがあります。
あくまで私と友人の勤務経験の中から事例としてお話しますので、全ての会社が悪徳なわけではありません。
困った会社もある一方で、良い勤務条件、良い同僚、先輩、上司に恵まれたこともあります。
さて、中小企業の事務員に残業が生じる状況というのはほぼ決まっています。状況別に書いていきます。
目次:
経営者、管理者側の無茶ぶり
ただでさえ業務が立て込んでいるのに本当に今それ必要なの?という、けっこうどうでも良さげな仕事を突如ぶちこんできます。あるいは重要な仕事をギリギリに指示してくることもあります。
定時を過ぎると30分間の休憩があります。
実態は休憩などではありませんが、この30分間も上司(中小企業の場合、直に経営者)より仕事の指示を受けるのです。
この30分間は休憩も与えられなければ、給与も支払われないという魔の30分間です。
ただし30分を過ぎると残業代は支払われますので、あまり文句も言えないのです。
こうして定時を過ぎて仕事の指示を受け、何も手を付けずに帰るわけにもいかないため残業せざるを得ません。
さて「上司の無茶ぶりではなく当人の能力不足という可能性」については、私はこう思います。
得意不得意を考慮して仕事を割り振ることは適性に配慮するという一面もあると同時に、結局はやはり会社としての業務が上手く回るので効率が良くなります。
無能な上の人はこれをしません。
それから、たいていは欲しい人材を得るための工夫的なものをしていません。同じ失敗を何度でも繰り返しています。
このように仕事に合わない人が集まる上に、より良い業務配分も行われず、残業が生じます。
また、後述する「無茶ぶりをする顧客」の注文を厭いません。ワークライフバランスという考えはありませんので、無茶ぶりであっても会社の実績のために大手の注文は欲しいという考えなので残業せざるを得なくなります。
顧客の無茶ぶり
仮に納期を急ぐのであればすぐにでも発注してくれ、と説明して頼んでも、大きな会社はそこでグズグズするのです。
上司の確認が、承認が、うんぬんかん・・・
なかなか確定の注文を出して来ないのでこっちも動けないという言うと、「いや先に動いてくれ」という意味不明なことをぬかす会社もあります。
急ぐならメールでもなんでも証拠残る形で指示を出せというのに、それをしない。
ちょっと待って、ちょっと待ってというので、なかなか来ない指示を会社で待つのですよ。
ようやく定時を過ぎて確定注文が届き、指示を上司へまわしたり、サプライヤーへ投げたり・・・。
残業してやっても明日やっても何も変わらないのですが、それは上司が許しませんからね。
そしてやっと出してきたと思ったら、超短納期なのです。
その上、あれも変えたいこれも変えたいと後から言ってくることも珍しくありません。
だれがどう考えても無茶なことを平気で言ってくるのです。
スケジュール逆算して計画たてろ、コストに見合わない無謀な要求はしてはならない、その緩慢な動きが諸々の問題の生んでいるとなぜ気付かないのか。
利益を出すための組織なのであれば、改善していなければ気付いていないことと変わりはないと思っています。
そういう大手の会社を見ていると、頭の良い有能な個人が集まっても、優秀な組織として維持できるとは限らないのだなぁということがわかり大変勉強になります。
(IQ93の私と同じくらいアホになっているのですよ、本当にそれでいいのですか。)
大手の下請けいじめは現実として無くなっていません。働き方改革のキャンペーンをしてもなんの効果もありません。
人材不足
中小企業はとにかく常にギリギリの人数で仕事を回します。
産休・育休でポジションに穴ができれば、そこにいる人でその穴を埋めるのです。たださえ仕事はいっぱいいっぱいなのに。
そうして私は事務職という仕事内容と給与に合意して入社したにも係らず、営業の仕事をさせられることになります。
業務は増え、内容も大幅に変わりますが、給与は変わりません。
経営者側の言い分は「あなたにとって良い経験になる」だそうです。私から言わせれば精神的に追い詰められたことについての恨みしかありません。
これで実際に注文を取れたりしますと、経営者側にとっては事務員のコスパが良すぎで笑いが止まらないのです。
当然、人材が補充されるはずありません。
サイコパス経営者
さかんに過労死の問題が報道されていた最中のことです。亡くなったある女性の残業時間を引き合いに出して「あなたたちはまだ大丈夫ね」と残業中の私たちに言いました。
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