発達障害を持つ人がどのような子ども時代を過ごしていたか、私の事例を書きます。
主治医の指摘を受けた際、私自身もネットや本を参考にどんな特徴があるのか、子ども時代の様子などについて、専門的な話から体験談までなんでも情報を求めていました。同じように、発達障害について調べている方に情報を提供できればと思いこの記事を書きます。
ちょうど検査のために、子どもの頃のことをたくさん思い出しましたので、差し障りのない範囲で「私はこんな子どもだった」というのを書いています。
目次:
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検査にあたっては、質問シートの項目に従って私が母にインタビュー&記入する形式で記憶を辿りました。(本当は親が記入するのがベストですが、我が家ではそれをお願いできない事情がありました。)
その時に聞いた話も含めて掲載します。
幼稚園に入る前
・後追いをしない。
・一人で遊んでいることが多い。
・三輪車の使い方が独特。三輪車ひっくり返し、手でペダルを回して車輪を動かして眺めている。普通に乗ることもあった。
・キレイな世界、物を見つけて眺める。(キラキラするもの等)
・アリの巣を眺めて行列を追いかけたり、巣をつぶしたり、とにかくアリを眺める。
・ダンゴムシを探してつんつんして遊ぶ。
幼稚園に入ってから
・引き続き一人で過ごす。
・そのうち一人で遊んでいると「友達と遊びなさい」と母親に怒られるようになる。仕方なく他者と関わりを持とうするが、仲間外れになることも多い。
・スキップができなくて父親に怒られ、練習させられる。
・怒られることが嫌で、周囲の子どもたちの真似をすることを覚える。
次第に「自分の好きなこと」=「怒られないこと」になる。
・ひらがなの練習で「み」や「あ」、「ね」といったくるっと回ったり、丸みのある文字をどうしても書けなくて怒られる。(最終的に書けるようになった。)
小学校低学年
・なかなか溶け込むことは難しかった気がする。
・どんくさいので仲間外れや、置いてけぼりになることが多い。
・そのうちまた真似をすることを始める。
・父親から目を見て話せと怒られるようになる。(小学校に上がる前からだったかもしれない。)
・運動がとても苦手で父親の特訓を受ける。
・お気に入りの匂いがある。
小学校中学年
・男の子の真似を始める。おそらく女の子を理解することが難しかったのだと思う。
・仲間外れになることは少なくなる。
・虫取りを覚え、夏の休日は虫取りばかりしている。弟と行くが、それぞれ勝手に自分の世界で楽しんでいる。
小学校高学年
・引き続き男の子の真似をしている。
・小学校の間中、忘れ物や誤字脱字が多く注意散漫と言われることが度々ある。
・結局、6年間夏休みの宿題をちゃんとやることは一度もない。最終日に母親に手伝ってもらい締切りを過ぎて提出する。(まるちゃんもそうだから、それで良いと思っている。ちびまる子ちゃんのこと。)
中学校
・授業中に頻繁に居眠りをするようになる。
・「天然」と言われてからわれる。いじめにはなっていない。
・まんべんなく勉強するという発想がなく、好きなことだけやっている。好きな教科は上位に入ることもある。それ以外は中間位だが、ときどき興味を持った時期には成績が上がる。
・おしゃべりや忘れ物でバツを受けることがある。男の子とともに。
高校
・全く勉強をしなくなる。全教科共通のノート1冊を持ち、とりあえず机に出しておくのみ。中学の頃好きだった教科も一切やらない。
・テスト勉強を一切しない。テスト当日に何のテストがあるかを知る。
・授業中は寝ている。
・遅刻が多い。
・部活は出ていたが2年生になって行かなくなる。
・学校にも行かなくなる。
・1日でも休んだら卒業できない、というギリギリの状態でようやく卒業する。
・2年か3年の頃にはじめて心療内科に通う。
高校時代の学業放棄について
高校に入り、急激に学業に支障を来すようになりました。これは発達障害だけでなく、家庭内トラブルの影響を大きく受けたように思います。
父親のDVは中学の頃に急激に回数が増え、暴力の度合いも激しく悪化し始めます。
高校へ入学したときには、朝っぱらから両親のケンカが始まり、父親の暴力を止めるために家を出られなくなることが頻繁に起きていました。やむを得ず遅刻するしかないのです。
こうして、入学から間もなく学校への意欲も興味も薄くなり、部活だけするようになりますが、それも結局興味を失いました。
一方で、高校時代には唯一の大きな救いもありました。学校内の一人の先生が私の存在に気付き、気にかけてくださったことです。私の恩人です。
発達障害があろうとなかろうと、厳しい家庭環境は子どもの発達に悪影響であることは間違いないはずです。きちんとサポートを得られる環境で育っていれば、生きる上での困難を低減できるのではないかなと思います。
自閉症によく見られる行動
アリを眺めている、というのは自閉症の子どもによくあるのだそうです。実は、私の親もそうだったようです。
「一人遊びが好き」という傾向について「他者との係りを求めない」という表現があるそうですが、私はまさにこれでした。
親に怒られるのが嫌で、なんとか関わりを持とうとしただけで、本当は一人で自分だけの素敵な世界にいたかったのです。
ADHDの傾向が改善される
仕事の抜け漏れをなくす工夫をよく考えています。そのせいか、目立って怒られることのない程度に、なんとか業務は回っています。
社会性を身に着ける中で、誤魔化したり、ちゃんとしている風を装う、ということも覚えてきたので大きなトラブルに発展しない程度に社会生活を送っていけるのです。
このように、もともとの程度の問題と本人の努力(と自分で言うのもなんですが)によってある程度矯正されてくることはあるそうです。
尚、生まれつき個人差がありますので、できないから努力不足ということではありません。
私の場合は、ADHDの方はわりあい対処できることが多いですが、同時にASDの方の対処もするので疲弊してしまい、心が折れました。
※追記:この記事をアップして早速、強烈なモノ忘れをしました。前日~当時朝に「歯医者行きたくないな~」と言いつつ「歯医者だから、用事は〇時までには済ませよう」という話を家族にしていたにも係らず、お昼前には歯医者を忘れてお散歩に行こうとしていました。家族がふと気づいてくれたおかげで「あぁぁ!!しまった!」と大慌てで歯医者へ向かったのです。
単純に忘れっぽいのか、ADHDの傾向か、歯医者が嫌すぎて忘れてしまったんでしょうか・・・自分でも驚きます。今回のことを見て、やはり家族など誰かのサポートが必要だなぁと思います。
過敏な聴覚、視覚など
これも程度の問題ですが、日常生活に支障をきたすほどの過敏さを持っておられる方がいらっしゃるそうです。
例えば、通常は人間は認識しない蛍光灯のちらつきを認識してしまうことで、大きなストレスを抱えてしまうケースもあるそうです。
私のケースはこうです。
聴覚:静かな事務所がざわつき始めると内心パニック状態になります。平静を装いながらも耳を塞ぎたい衝動と闘いパニックを抑えます。
「静かな事務所がざわつく」という環境は大人になって初めて経験するもので、子どもの頃にパニックを起こした記憶はありません。
視覚:周囲の人に比べて眩しさを感じやすいです。昔から、写真撮影では一人だけ目をつぶってしまいます。みんなよく我慢できるな~、なんで私は目が明けられないのかな~と思っていましたが、光の感じ方は全員同じではないんですね。発達障害のこと調べて初めて知りました。
私の兄弟も同じように眩しさを感じやすいそうです。程度の問題はありますが、やはり発達障害の傾向を持っている子です。(おそらく我が家は親子全員持っています。)
PCメガネで眩しさの対策
「みんな平気なのだから眩しさを我慢すれば良い」と思っていたのですが、最近はそうでもないことに気付きました。
我慢しないで済む方法を考えてみるのです。
私のように日常生活に支障はきたしていないけれど眩しさを感じる方に、PCメガネという大変便利で優秀な製品をオススメしたいと思います。
(お子さまの場合、学校にかけていくのは難しいでしょうか・・・お役に立てませんで申し訳ありません。)
一般的に、①クリアなレンズ、②薄い茶色のレンズの2タイプあります。
②薄い茶色のレンズをかけると、いくらか眩しさが和らぎます。PCメガネはブルーライトだけでなく、UVカットの効果もあるそうです。
私は、JINSのPCメガネ(薄い茶色レンズ)をサングラス代わりに使用しています。
最後に・・・
思いつくままに書いてしまいました。
眩しさの感じ方について振り返ったとき、知らず知らずのうちに我慢することが当たり前になっていたことに気が付きました。
同時に、自分にとって快適なことをもっと追求しても良いことにも気付きました。我慢に慣れているとそれが楽なのですが、これからの人生は本当の楽、快適、心地よさについてもっと関心を持ちたいと思うようになりました。
我慢が楽なのはほんの一瞬のみ、後々ストレスになることを身を持って知っています。一方で本当の楽や快適は長く続いていくのだと思います。
要するに目先の楽と、長期的な楽は別物ですね。こういうことに、ようやく気付きました。