VLOOK UP関数とその応用例について、画像を交えて紹介します。
この関数の素晴らしいところは、自動入力のようなことができて繰り返しの入力を減らせることです。
おおまかには、(1)リストさえ作れば(2)リスト上の情報を他のシート等で流用することできます。中小企業の事務員さんが覚えるととても便利なエクセルの関数です。
VLOOK UP関数とは
リスト上の情報を、他のシートやファイル等で流用するための関数です。リストの先頭列には、あらかじめ任意の識別番号を割り振っておく必要があります。
(まずは概要を書きますが、後の応用事例も見ていただくとイメージを掴みやすいと思います。)
▼関数の構成はこうです。カッコ内の指示はカンマによって区切られていて、4つの指示が入ります。
=VLOOKUP(参照セル指定,リスト指定,列指定,呼び出し条件指定)
▼例えばこうなります。
=VLOOKUP(K2,リスト!A2:I7,6,FALSE)
▼K2などセル番号には「$」を付けると良いです。
「$」の役割はセル番号を固定します。セル番号を固定するとコピペしても番号がずれませんので便利です。こうなります。
=VLOOKUP($K$2,リスト!$A$2:$I$7,6,FALSE)
応用事例の概要
リスト上の情報を封筒印刷に流用する事例です。主に二通りの方法があります。
・リスト上の宛先へ大量印刷:Wordの差し込み印刷が良い
・リスト上の宛先への個別対応:VLOOKUP関数が良い ⇒ 本記事はコレ
[事例]
資料請求や書類発行の問い合わせがちらほら来る場合、(1)その問い合わせ内容を記録し、(2)書類を送付する必要があると思います。
▼これらの業務をエクセルで行うとこうなります。
(1)問い合わせ内容を記録 ⇒ リスト作成
(2)書類を送付する ⇒ 封筒印刷
▼リストと封筒の画像を見てみましょう。
リスト
封筒
応用事例の詳細
1.シート1はリストになっています。
資料や書類発行の依頼を受けた場合に、内容をリストへ記録します。
2.シート2は封筒フォーマットです。
・太枠線内は空欄になっています。セルK2に情報を呼び出すための番号を入力していない状態です。宛先欄は「#N/A」となっていて情報は反映されていません。(呼び出す番号は、リスト先頭列に割り振る識別番号です。)
・参照セルに「A1001」と呼び出すための番号を入力します。入力すると住所が表示されます。
・ためしに郵便番号をクリックすると関数が出てきますね。住所は手入力したのではなくリストから引っ張ってきていることがわかります。これがVLOOKUP関数です。
差出人の欄は会社ロゴ(あれば)を入れたり、自分で手入力します。ここは毎回同じですので直接入力してOKです。関数は不要です。
応用事例をもとに関数を覚える
カッコ内には4つの指示がありますので、1つずつ順番に確認していきましょう。
例:=VLOOKUP($K$2,リスト!$A$2:$I$7,6,FALSE)
1.$K$2は参照セルです。K2に入力した「A1001」の情報を呼び出すという指示です。※「$」は前述のセル固定のための記号です。
2.リスト!$A$2:$I$7は参照するリストの指定です。リストのあるシート名を入力します。
(1)シート名:リスト
(2)リストの範囲:A2:I7
(3)指定:リスト!A2:I7
(4)更にセルを固定するとこうなる ⇒ リスト!$A$2:$I$7
※リスト!の「!」は他シートにあるデータを参照(呼び出す)ときにつけるもの。この事例では、リストと封筒のシートは別々のシートに分かれているので「!」が必要。
3.6は参照照する列番号です。郵便番号はリストの6列目にあるので、「6」を入力しました。
4.FALSEは情報を呼び出す条件です。この関数では、呼び出す番号とリスト番号が(1)完全一致か、(2)近似一致か、を選べます。ここでは完全一致を選んだので「FALSE」を入力しました。
応用のポイント
まずは、情報をリスト化することが大切です。
マニュアル不足の中小企業ではどうしてもその場しのぎになりがちですが、一旦ルールを作ればその後がやりやすいです。
封筒はあくまで事例なので、関数さえ覚えればいろいろな形で情報を流用しやすくなります。
規模の小さい会社では事務に限らず誰も皆、自分でなんでも工夫して行うことが求められます。よく言えば自由度は高いのですが、優秀なソフトの導入とかは期待できないのでやはり工夫して作業を減らさないと手間が多くて大変なのです。
VLOOK UPは使い方を覚えるといろいろ応用できて便利です。
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