有償品と無償品を一緒に送る場合のInvoice(インボイス)の書き方について、サンプルを用いて解説します。
目次:
※無償品のみを送る(有償品を同梱しない)場合は、下記記事をご参照ください。
問題点の整理
今回は、発送する物品に「有償品」と「無償品」が混在するケースになります。
改めての確認ですが、Invoiceは客先への請求書であると同時に税関への申告にも使われる書類です。
申告の観点では、有償・無償に関わらず全ての商品の価格を申告する必要があります。
一方、取引においては明確に有償・無償を区別することが求められます。
要するに…
●税関から求められること=全部申告しなさい
●客先から求められること=有償品のみ請求してください
これらの要請には2つの対応方法があります。
考えられる方法は2つです。
[1] 2種類のインボイスを用意する。
[2] 書き方を工夫して1枚にまとめる
順番に詳しく見ていきましょう。
尚、この事例では、下記のようにA、B、Cの3種類の製品のうち、製品Cが無償の場合で考えていきます。
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Leaflet A USD 100.00(有償)
Leaflet B USD 50.00(有償)
LeafletC USD 50.00(無償)
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請求金額: USD 150.00
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[1] 2種類のインボイスを用意する。
2種類のインボイスとは、①請求用と②通関用のインボイスのことです。
①請求用インボイス ⇒客先へ提出します。
②通関用インボイス ⇒税関への申告のみに使います。
◆請求用インボイス
まずは①請求用インボイスの記載方法を見てみましょう。
製品Cの単価をご覧ください。無償品なのでUSD.00としています。
通関では全ての商品の価格を申告する必要があるため、このインボイスを申告で使うことはできません。
◆通関用インボイス
次に、②税関申告用インボイスの記載方法を見てみましょう。
申告用なので製品Cの単価を記載しましたので、合計金額はUSD 200.00となります。申告のみに使います。
◆書類タイトルの区別
ちなみにですが、書類のタイトルを例えば下記のように区別すると一目でわかりやすくなり、事務処理上の混乱も防ぐことができます
①請求用インボイス⇒「INVOICE」
②通関用インボイス⇒「Delivery Invoice」
[2] 書き方を工夫して1枚にまとめる
続いて、1枚のインボイスにまとめる方法を紹介します。
無償・有償それぞれの「Sub total」を出すことで、それぞれの合計をわかりやすくします。
この1枚で請求にも申告にも使えます。実際のサンプルを見てみましょう。
内容品欄を詳しく見てみましょう。上段は有償品で、下段が無償品です。請求金額はUSD150.00であり、申告金額はUSD200.00であることがわかります。
以上の2通りが、有償品と無償品が混在する場合の主な書類の書き方です。
客先によっては無償品はUSD0.00としてほしいと要望を受ける場合があります。
その場合は、[1]のとおり、請求用と申告用のインボイスを用意すると良いでしょう。
あとは会社内のルールによるところが大きいので、その辺りは一度確認が必要かと思います。
お読みいただきありがとうございました。