発達障害は貧困に陥る要因となり得ます。
また、貧困は発達障害の発症に影響を及ぼす可能性があると思います。
貧困と発達障害の因果関係について、我が家の事例を踏まえて私の感じることを書きます。
目次:
発達障害児が生まれる
発達障害は生まれつきの脳の機能障害とされています。
家庭の経済状況の良し悪しに関わらず、発達障害児はあらゆる家庭に誕生しています。
では全く関係がないかというと、間接的に影響を受ける可能性はあると思っています。
妊娠中に母体が受ける強いストレスが胎児の発達障害の要因となり得るとされている点に着目して考えてみたいと思います。
これは発達障害の本に書かれていますし、検査を受けたときにも妊娠中のストレス状況についての質問事項がありました。
----
亭主はろくに働かない。
お金がない。公共料金の支払いが滞る。家賃を滞納している。
仕方なく、親戚中にお金を借りに行くしかない。
金欠が発端で気に入らないことがあると暴言、暴力を受ける。
妻は妊娠中にも関わらずお腹を蹴られたこともあった。
----
これは母が私を妊娠していた頃の話です。
母体にとってこれ以上のストレスがあるでしょうか。
お金に関するストレスは人の心を蝕みます。
それに加えて、暴言、暴力を受けるなんて・・・想像しようとしたたけでゾッとします。
◆発達障害の要因に、母体が受ける強いストレスの可能性が指摘されています。そして貧困はその強いストレス要因になり得るのです。
貧困に陥る
さて、なぜ、私の両親は貧困に陥っていたのでしょうか。
父コジローは仕事を辞めてしまい、定職に就きませんでした。
職場で気に入らないことがあるとすぐにカッとなり、辞めてきてしまいます。
働いて収入を得て、税金、公共料金、保険、家賃などの支払いをすること、生活をしていくことができませんでした。
社会人になって健康な人が普通に行うことが、彼にはできないのです。
彼は、小学生が習う計算も解くことができません。
落ち着きはなく、すぐにカッとなり、真っ先に自分を守るために相手を傷つけます。
正式に診断を受けたわけではありませんが、ほぼほぼ間違いなくコジローは発達障害であったと考えられます。
◆発達障害により、この日本社会の仕組みの中で上手に生きていくことができなくなり、貧困に陥ったと考えます。
大学へ進学できる人もいる
一方で、発達障害者であっても大学へ進学することはできますし、特性を生かし働いている方も大勢おられます。
その方たちは貧困に陥らなかったのでしょうか?
現在活躍されている方などをテレビやネット記事で拝見しますと、圧倒的に家庭環境が良く周囲のサポートを受けられているケースが多いです。
私はそういうの観てとても悲しくなり失望を感じます。やはり、育った環境があまりにも違い過ぎるな、と。
さかのぼると両親ともに家庭環境も良くなかったですし、当然ですが、教育レベルも低いと言わざるを得ません。
◆発達障害は貧困の要因になり得ますが、当事者たちの生まれ育った環境によって貧困に陥るかどうかが決まってくるのでしょう。
連鎖する
残念ながら貧困は連鎖していくものですから、私も両親も、その両親たちも同じ連鎖の中にいるということです。
生まれつき不器用な上に、教育レベルの低い子供たちは自分たちの置かれた状況に気づくこともできないし、できたとしても大変長い時間を要します。そして、気づいたとしてもすでに絡めとられている鎖から抜け出す術を持ちません。
◆貧困の連鎖と発達障害児の誕生を同じテーマ内で扱うことは誤解を招き、偏見を助長する恐れがあると思います。
テレビや書籍で取り上げられると、たった1つの事例が、あたかも多数派の事例かのように視聴者あるいは読者には映るものです。
受け取る側のベースにある思想によって意味が変遷してしまうことは、いつでもどこでも起きていることではありますが、この問題については生じた偏見や誤解によって、どこかの誰かが深く傷つけられてしまうかもしれません。
このブログで「こんな事例がありますよ」とひっそりと書いているくらいがちょうど良いのでしょうね。
いったい私は何でこうなった?
ところで、私の発達障害は単純に遺伝という可能性もありますね。
ですが、母体の受けたストレスも見過ごすことはできません。
それから、成長過程において面前DVや、私自身の人格否定を受けたことにより脳がダメージを受けている可能性も考えられます。
このダメージというのは発達障害と同様の脳の機能障害を引き起こすものです。
書いていて、私は何がなんだかわからなくなって来ました。
鶏が先か、卵が先か。
無限ループに陥ってしまい決着がつきませんので、最後に関連記事を2つ紹介して終わりたいと思います。
関連記事
▼父、コジローのこと
▼貧しい家庭の子供のはなし